相互参照あれこれ

さて、今回はやや息ぬき気味に、相互参照について軽くふれることにします。

相互参照はTeXの大きなメリットの1つだと私は思っています。他のワープロソフトだと、数式を追加したり順番入れ替えたり・・・の度に番号うちなおさなきゃ・・・っていう手間が皆無なのですから。

さて、数式番号には(*)のように丸カッコをつけるのが普通なので、引用するときには(\ref{ })などとします。しかし、AMS-LaTeXには数式を引用するための命令が用意されています。


プリアンブル /
\usepackage{amsmath}

数式番号の引用 /
\eqref{ラベル名}

出力(例) /
(2.3)


図や表、定理(や、その拡張の環境)を引用するときも、これにならってマクロを定義すれば良いわけですね。私は普段、次のように書いています。


マクロの定義 /
\newcommand{\reffig}[1]{Fig.\ref{#1}}
\newcommand{\reftab}[1]{Table~\ref{#1}}
\newcommand{\refthm}[1]{Theorem~\ref{#1}}

引用 /
\reffig{ラベル名}
\reftab{ラベル名}
\refthm{ラベル名}

出力 /
Fig.2.3
Table 2.3
Theorem 2.3


記号~はスペースを意味しますが、さらに「そこで改行してはいけない」という命令です。これによって「Table」と「2.3」が離れ離れになるのを防ぐことができます。

最後に、相互参照の際に便利なスタイル・ファイルをご紹介します。TeXで文章を書いていると、どの式にどんなラベル名をつけたか分からなくなってしまうことが多々あると思います。そんなときに便利なのがshowkeys.styです。これを読み込んでTeXを実行すると、出力の\label{ }\ref{ }にあたる部分に、該当するラベル名が表示されます。それを見れば、どの式にどのラベル名をつけたか、すぐに分かるわけです。

(2001.8.5)

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