数式環境――行列,ベクトル

今回は数学の行列やベクトルの書式です。

LaTeXで行列を書くには、数式モード中でarray環境を用います。使い方は、表組みの環境であるtabular環境と同じと覚えておいてください。行列の区切りを表す左右のカッコを表示するために、array環境を\left[...\right]で囲みます。


3行3列の行列([ ]で区切る) /
\left[
 \begin{array}{ccc}
  6 & 1 & 8 \\
  7 & 5 & 3 \\
  2 & 9 & 4 \\
 \end{aray}
\right]

出力 /


もちろん、左右の区切り記号はいろいろ変えることができます。たとえば、\left\{...\right\}でarray環境を囲めば、{ }で区切られた行列を出力できます。

ところが、array環境を用いた場合、行列の列の数をあらかじめ指定しなければならない、という手間があります。また(これはめいいっぱい好みの問題ですが)、行列と左右の区切り記号の間にスペースが空きすぎ、やや体裁の悪い感じがします。

AMS-LaTeXには、これらを解決した環境が用意されています。それがbmatrix環境です。それでは、bmatrix環境を用いて上の例と同じ行列を書いてみましょう。


プリアンブル /
\usepackage{amsmath}

3行3列の行列([ ]で区切る) /
\begin{bmatirix}
 6 & 1 & 8 \\
 7 & 5 & 3 \\
 2 & 9 & 4 \\
\end{bmatrix}


ご覧のように{ccc}などの表記は不要になります。また、区切り記号も書かなくてよいことに注意してください。つまり、この書式では、区切り記号ごとに違った環境名が用意されています。区切り記号を{ }にしたい場合には Bmatrix環境を用います。他に、vmatrix環境Vmatrix環境があります。

出力の体裁をこのページで比較することはできませんが、私の個人的な趣味としては、bmatrix環境などを使った方が、余分なスペースがなくてまとまった感じがして好きです。一方、array環境のメリットとしては、左と右で別々の区切り記号を使うこともで きる、ということでしょうか。あと、行列の中の数字を「左揃え」とか「右揃え」とかにすることもできます。いや、私はそんな使い方しませんけど。

(2001.8.15)

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