\sectionでは、thesectionというカウンタを用いています。上の例の3行目は、目次を正しく出力するために必要です。各行の行末に%がありますが、これは、余分なスペースが(万が一にも)入ることを防ぐためです。TeX Bookでは、このようにマクロの定義が数行にわたる場合には、行末に%を入れることが推奨されています。
\sectionの体裁そのものは、5、6行目に記述されています。
まず\vspaceは、前の段落と見だしとの間の上下方向の余白を決めています。TeXでは組版の都合上、行送りは固定にはなりません。plus, minusとあるのは、状況に応じてその数値の範囲で余白を微調整しても良い、という意味です。
\bfseriesは、見だしをボールド体(和文ならゴシック体)で出力する、という意味です。
6行目に移って、\noindentは文字通り、インデントしないための制御綴りです。
さて、\underline以下がいよいよ体裁に一番かかわってくる部分です。ここでは、見だし全体に下線を引いています。sectionにはカウンタthesectionの内容が出力されます。sectionが\arabicで囲まれているのは、thesectionの内容をアラビア数字で出力せよ、という意味です。その節番号の後ろにピリオドを打ち、節のタイトルを出力します。
最後の\nopagebreakは、見だしの直後での改ページを禁止するためのものです。
以上でだいたいの感覚はお分かりかとは思いますが、もう少し練習してみましょう。今度は、
Appendix C. Title of appendix
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のような、付録のための見だしを定義してみましょう。変更するのは6行目だけです。
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